現在のヨーロッパの文化につながるような文化の芽をはぐくみ、他の地域に並ぶ記念性をもった建築がつくられるようになるのは、11世紀以後のことである。
それ以前には、南から侵入した古代ローマ人がヨーロッパの各地に点々と兵営や都市をつくっていただけで、その他のほとんどの地域は未開であり、原始的な集落が存在したにすぎなかった。
ヨーロッパの各地に、洞窟(どうくつ)住居、竪穴(たてあな)住居あるいは湖上住居などさまざまな原始住居の遺跡が発見されている。
それらの多くは方形の1室あるいは2室の住居で、その中に竈(かまど)や炉を備えていた。
南ドイツのフェーデル湖やボーデン湖にみられる住居は、湖畔あるいは湖の中に杭(くい)を打ってその上に人工地盤をつくって集落を形成していた。